「黒子の除去」は「特徴の除去」

黒子の多くは生涯に渡って存在しますが、消えるものもあります。私の右手の甲に黒子があったのですが、知らないうちに消えています。故郷の家族の者は、その黒子を私の身体特徴と思っています。

黒子が個人特定に利用されることがあります。身元不明人の特定、指名手配犯人の身体特徴として示されることがあります。
逃亡中の犯人は黒子を除去していこともあります。
実は、私も経験があります。(指名手配犯ではありません。)

非常に気になる黒子や、瞼のイボ状黒子が視界を妨げるなど、状況、部位により保険医療で除去できます。小さなものを除去するので、一度に多数の除去が身体に負担となることはほとんどありません。
しかし、保険適用内で行うには、施術の個数制限や、一ヶ月の施術回数に制約があります。

手の甲施術にはほとんど苦痛はありません。非常に簡単な施術です。皮膚科科目です。
カップに液体窒素が注がれていて、それで綿棒を低温にします。その綿棒を黒子に当て低温火傷を作ります。施術後10分程度、弱くヒリヒリするくらいです。数日後剥がれ落ちます。

40歳過ぎから出始める「老斑」もこれと同じやり方で消すことができます。他に「イボ」の除去にも使われます。
レーザー光照射でも消すことができますが、こちらは面積の大きなアザ除去に向いています。
「ほくろ」除去のレーザー光照射施術は保険適用外です。

液体窒素によるものは、「黒子」ではなく「色素母斑」です。
膨らみのない部分に施すとその部分のメラニン色素がある細胞を除去するので、「白アザ」となってしまいます。
「色素母斑」では、膨らみの部分が剥がれ落ちるので、正常細胞が残ります。膨らみのないアザや黒子にはレーザー光照射で施術します。

自己身体部分に大なり小なりコンプレックスを持っていることは普通だと思います。それが、自分の行動を抑圧する大きな原因となるのであれば、美容整形は大きな助けになることは事実です。
私の顔にあった黒子、イボ、老斑は、それほどメンタル面にダメージを加えてはいませんでしたが、「ない方がいいな。」という思いが膨らんでいったことは事実です。皮膚科医を訪ねたとき、医師からの問診で、「何でこんなに深く尋ねる必要があるのかな。」と感じました。

黒子(ホクロ)はその人物の特定に有効であることから、客観的には「黒子の除去」は「特徴の除去」でもあるのです。
本人にとってコンプレックスの解消であっても、他人から見れば「特徴隠滅行為」と映るのですのです。

足の裏の黒子

結婚して、まだ子がいない頃のある日、私の妻が足の指の付け根に「グリグリ」したものができてきて気になると言いました。
私が、その部分を触っていみると、確かに突起物が確認できました。妻が言うには、大きくなっているとのことで、今のうちに手術で獲ってもらおうかなと言い出しました。なるほど、大きくなると不便だろうから私も奨めました。
その時、妻のその方の足の裏に黒子があるのを発見し、「これ、まずくないかな。」と言ったのですが、本人は足の裏ですし、感じないことから気にしませんでした。
黒子がその場所にあることは良くないことだと知っていましたが、当時はインターネットはありませんでしたし、参考となる関連書籍も持ち合わせていなかったことから、本人に危機感を与えるには至りませんでした。

足の裏後日、病院へ診てもらいに行きました。大人ですので、二人で受診するのは恥ずかしかたのですが、その黒子が気になっていたものですから、診察室へ妻にくっついて行きました。
医師は、「気にすることはないよ。単なる脂肪の塊だから。どうしても取りたいなら、切るけど、痛いよ。」といって終わりましたが、私は、横から例の黒子のことを医師に言いつけました。医師はそれをじっくり診て、「むしろ、こっちの方を早いうちに取っちゃおう。いいね。」とキツく言ったので妻は驚いていました。
医師に本人の承諾を求める態度はなく、その場で卓上カレンダーを見て、「この日はどうだい?」とか始まって、手術で切除することが決まりました。「これが悪いものなら非常に危険だけれど「いいモノ」か「悪いモノ」かを検査するには病理検査が必要で、どっちにしても取らないと検査ができない。しかも、悪いモノであれば、つついたり、切ったりする刺激が非常によくない。だから、大きく取るからね。そもそも、足の裏にはメラニン色素がないので、正常な「ほくろ」である確率の方が少ない。」と説明し、妻が半ベソになっていました。
また、そもそも「正常なほくろ」は細胞の異常だ。ということも教えてくれました。

「よくない黒子」。悪性黒色腫、「メラノーマ」という皮膚癌の一種です。非常に転移が早く危険な癌です。しかし、癌の中でも極めて珍しく、「見える」という特徴から早期に発見されことが幸いです。

メラノーマは日本人には少ない癌です。黒人はもっと少なく、白人にリスクが高い癌です。メラミン色素の役割は、人体を太陽からの有害な紫外線から防御してくれる組織です。ですから、緯度の高い地方の人種である白人にメラニン色素が少ないと言われています。

悪性黒色腫はメラニン細胞の癌

メラノーマは過剰な紫外線照射を受けることで発生リスクが高くなると考えられています。「日焼けサロン」での紫外線照射により、そのリスクは1.2倍となるそうです。

メラノーマの発生原因として、紫外線刺激がありますが、もっともリスキーな刺激は物理刺激だそうです。メラニンが集まっている黒子に継続的な物理刺激を加えることが癌化を誘引するのです。(最近、この説は否定方向にありますが、著しく疑わしいことは事実です。)
また、既にメラノーマである場合、刺激は急速な拡大の原因となります。その拡大は皮膚に限って起こるとは言えません。深部での拡大、転移が起こるので、怪しいものは弄(うじ)らないことです。

検査メラノーマの外見的特徴は、周りの皮膚より盛り上がりがあって、円形などの対象形ではなく、不規則な形です。境界線が不明瞭で色が均質でないモノが多いです。大きさは歪(いびつ)ですが、最大長が6mm以上あれば疑わしいです。
決定的特徴は「変形している」、「形が変わっている」及び「大きくなっている」など進行形です。メラノーマの特徴は成長が早いことです。
ですから、数ヶ月や一年での変形とかではなく、日に日に変わります。

切除手術で根治を狙います。物理的刺激が非常に危険であるため、周りの正常細胞を含めた切除になります。
最近までは、腫瘍の3cm周囲と深さで切り取りましたが、近年では、検査を速く行えるようになったことから、小さく切除し、検査結果により追加切除が行われるようになりました。
妻の場合はそれほど大きな面積を切り取っていません。

前述のとおり、切除部位は直ちに病理検査に出されます。転移などの拡大は見えないところで起こっている可能性もあるし、この癌は進行が早いので、検査結果は2週間以内にもたらされます。妻のは良性でした。

足の裏にできやすい理由は靴による歩行で、継続的な物理的刺激が加わることが原因と考えられています。
次に多いのが「口腔癌」のほとんどであるメラノーマです。不適合な入れ歯、頬内側の「噛み癖」が継続刺激となり癌化するものです。妻の父がこれに侵されました。幸い術後15年で再発もなく健在です。口腔内の切除は顔の頬近くまで堀り削りました。充填材として、太ももの筋肉を移植しました。
ですから、入院治療は口腔と大腿の治療が行われます。

幼児のメラノーマは更に速く進行します。

メラノーマの予後は0期~Ⅰ期では5年生存率が90%以上ですが、Ⅲ期に進行していいると急激に悪くなり50%を下回ります。Ⅳ期では10%以下です。

日本人のメラノーマが増加傾向にあります。

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